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お知らせ

用地研修講師インタビュー「交渉技術:中坪講師」

2017年12月25日

中坪 周作 講師

交渉技術
中坪 周作 講師

実践!!先人に学ぶ用地交渉術講習」おいて、
「交渉技術」を担当した中坪講師にお話しを伺いました。

一般社団法人近畿建設協会さまとの共催講座である「実践!!先人に学ぶ用地交渉術講習」が好評につき、今年も開催されました。本講座は今年で6回目。中坪講師には初回から講師をお願いしているわけですが、今回開催した研修全体について、どのような感想をお持ちでしょうか?

中坪講師

もう10年以上前になりますが、多くの起業者の方から「用地経験者が少なくなり、交渉技術の伝承ができなくなってきている。なんとか交渉技術に関する研修をやってほしい」というご要望がありました。当時は「交渉技術は先輩の技術を盗んで覚えていくもので、教えられるものではありませんよ」とお答えしていました。

今もその考えに変わりはありませんが、本当に用地経験者がいなくなってしまい、伝えることすらできなくなっているのも事実です。なんとか「交渉技術の一部でも伝えられる研修を」との思いから手探りで交渉術講習を始め、今回で6回を数えるまでになりました。毎年、前回の反省に立って内容の見直しを行い、当初とは別物のようにさえなっています。少しずつ座学が減っていき、今回はついに大半が参加型の研修となりました。研修生にとっては、とてもハードな2日間だったのではないでしょうか。

研修効果をより高めるために、座学のみのスタイルではなく、まさにタイトルどおりの実践である参加型の研修スタイルに変化していったのですね?

中坪講師

毎回意欲の高い方々に参加いただいているのですが、今回は参加いただいた起業者や年齢層が多様になり、更に女性の参加率が高かった事もあって、ロールプレイにより深みが増したと感じています。

参加型研修の場合、想定する交渉場面をどれだけリアルに作り込めるか、ロールプレイをやってもらう研修生をどう組み合わせるか、役割になりきってもらえる仕組みをどう用意するか等、研修効果を高めるための準備が大変です。もちろん、この研修では基礎的交渉技術を体得してもらうことも大切なのですが、答えを教えるのではなく、ロールプレイを通じて色んなことに「気づいてもらう」ことこそを大切にしています。その意味で、研修中に色んな気づきを研修生に発表してもらうのですが、今回は講師側が想定していた以上の気づきがあったように感じ、大変うれしく思っています。

ありがとうございます。研修の魅力を端的におっしゃっていただきました。それでは中坪講師が担当されている講座以外でも結構ですので、各講座の特徴や内容について少し具体的にお話しいただいてもよろしいでしょうか?

中坪講師

研修は主に4つの構成で行いました。

一つ目は、ベテランが経験から自然と身に着け、暗黙知となりがちでマニュアル化しにくいノウハウを抽出し体系化したプログラムを提供しました。用地交渉の場でよく見受けられる権利者との交渉場面を、用地交渉歴30年以上のベテラン用地マンに権利者の役を演じてもらい、研修生が交渉する疑似体験演習です。

次に、初対面の権利者の方と距離感を縮め、信頼感を醸成していくための対話技術の演習を行いました。

三つ目は民間の交渉手法も学ぼうということで、買手と売手に分かれて相手方の重視している隠れた項目とこちらが重視している隠れた項目に関する情報について交渉を通じて探り合い、Win-Winの交渉結果を引き出すための演習です。それぞれの考えた行動の背景にある意図を相互に議論し、相互に考え方を学びます。

最後は、説明や説得をしなくても、ひたすら相手に寄り添いながら聴くだけの交渉の持つ意味を実感していただく傾聴技術の演習を行っていただきました。

途中には、用地交渉を題材にした「用地よもやま話part4」なる落語も聴いていただきました。

確かにハードそうですね。いずれの講義も何か新たな気づきを発見することに直結する研修内容になるのですね?

中坪講師

私たちが提供したテーマから、「ああ、説得しようとしすぎていたな」「もっと相手に話してもらえばよかったな」「想定問答ができていなくても交渉にいけるやん」「相手にしゃべってもらうにはキドニタテカケシ・・・なんやな」のような自らの気づきに加え、日本全国から集まった多彩な他の研修生から違った視点や多様な考え方・感じ方を知ることで新たな気づきとなり、お互いに深く学ばれたということもあったのではないかと思います。

それに加え、私たち講師陣が外側から客観的・論理的に援助をすることで研修生のアウトプットをよりよいものにできるのではないかと思っていましたが、ここまで歴然と効果がでると嬉しくなります。教えたことをすぐに消化して自分のものとし、もう次の演習ではそれを活用している、そんな感じで、2日間とはいえ、来られたときと帰っていかれる時とでは、大きな変化というか成長があったように感じました。

研修生が研修中に得られた学びや意識を体得している姿が講師にダイレクトに伝わってきたのですね。「頼もしい後輩」ができたという感じでしょうか。

中坪講師

そうですね。正直、日本の公共用地取得の場においてこんなに意欲があって、かつ能力がある方々に出会えて感激しています。団塊の世代の退場とともに用地交渉ノウハウも消滅に向かうのではないか、そういう私たちの不安を払拭していただきました。

今回の研修で学んだことをきっかけにして、その技術を現場でさらにたたき上げ、磨きあげ、公共用地取得の各現場で先頭に立っていただきたい。そして、この研修の卒業生のネットワークが安心して暮らせる魅力的な街づくりや災害復旧・強靭な国土づくりの先導役を担っていけるようになってほしいと願っています。研修生の更なる飛躍を願ってやみません。

卒業生というお話がでましたが、これまでこの研修を受けて下さった研修生は100名以上にのぼります。時間の流れと共に研修スタイルも変わってきたとのことですが、今後、目指される研修の方向性を教えて下さい。

中坪講師

そうですね。まず、これまで交渉術講習を受けていただいた卒業生の研修後をフォローできていないことを申し訳なく思っています。

しかし、遠方から研修に参加する受講者も多く、多忙な卒業生の時間を拘束して再び一同に会するのは現実には難しい。そこで、WEBサービスを使って、WEB上で何か卒業生のフォーラムのようなものが展開できないか?一緒に研修を受けた研修生同士で状況を確認し合えるような相互コミュニケーションの場を提供した場合の効果など、大切な課題を共有する仲間が集まり関心を共有しうる場を提供したいですね。

そして、限られた時間で業務に直結するような成果が出せる仕組み、豊富な講座やライブラリなど、研修生が必要なものはなんでも揃っているという環境を提供することが、起業者として経験を積み重ねてきた私たち阪高プロジェクトサポートの使命だと考えています。

なるほど。"ココに来れば何でもある" ですね。 中坪講師、長時間、ありがとうございました。
それでは、最後に阪高プロジェクトサポートのホームページをご覧の皆さまに、メッセージを手書きでお願いできないでしょうか?

阪高プロジェクトサポートでは、用地交渉のベテランの皆さまにヒアリングを行い、ベテランが意識的に、あるいは無意識でやってこられた行動特性等をテキストや研修といった形で取りまとめてきました。皆さまの多様な学びや気づきの機会をご提供できればとの思いから、研修事業を行っています。

研修事業のご依頼やお問い合わせは、こちらのフォームで送信いただけます。ご依頼前のご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。後日、担当からご連絡を差し上げます。

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阪高プロジェクトサポート株式会社
支援事業部 企画課

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