とある市の用地課に異動してきたばかりの新人、緑山さん。用地の業務も初めてで、勉強の日々です。
今回は、登記記録証明書の交付請求や証明書の見方などをご紹介します。

とある市の用地課に異動してきたばかりの新人、緑山さん。用地の業務も初めてで、勉強の日々です。
今回は、登記記録証明書の交付請求や証明書の見方などをご紹介します。
起業地の特定ができたら、ここでやっと「所有者の特定」のために登記簿を取るんですね!
そのとおり!ちなみに法務局の登記簿は、今は全国すべてコンピューター化されていて、「登記記録」として保管されているよ。だから正式には「登記記録証明書」の請求、をするんだね。
コンピューター化のおかげで、日本全国のどの土地・建物でも、最寄りの法務局で証明書が取れるんだよ!
証明書を取得したい土地を管轄している法務局ではなく、自分の最寄りの法務局でいいんですね。コンピューター化されて便利になったんだなぁ。
そうだね。ちなみに今は、請求したい土地等がはっきりわかっているなら、窓口請求や郵送請求以外に、オンラインでも交付請求ができるよ。
今回は法務局の備え付け地図とブルーマップを確認したいから、法務局の窓口で交付請求をしてみようか。
わかりました!
備え付け地図やブルーマップで調べた地番等を、交付申請書に書こう。
これ(↓)が窓口で申請する際の交付申請書だよ。
▽ 交付申請書見本 ▽

はい。あっ、申請書にも「※ 地番・家屋番号は、住居表示番号(〇番〇号)とはちがいますので、注意してください」と注意書きされてる!前回上島さんに教わったことですね。
地番等を書いて、っと...あれ、そのほかの欄はどれを選べばいいんだろう...?
共同担保目録は、1つの債権の担保となっている複数の不動産を一覧にまとめたもので、これは請求しておく方が便利だよ。
通常は、すべての事項が記載された「登記記録証明書・謄本」を取得するね。
ちなみに閉鎖登記簿は何らかの理由で閉鎖された登記記録が保存されている帳簿または磁気ディスクのことをいうんだ。これには大きく分けて次の2種類があるよ。
過去の記録も保管されているんですね(*1)。
でも、どんなときに閉鎖登記簿を取得するんでしょうか?いま現在の記録じゃないんですよね。
そうだなぁ、土地等の過去の使用状況(分合筆の履歴等含む)や所有者、権利関係者等の情報をさかのぼって確認したいときには、この閉鎖登記簿を取得する必要があるね。
権利関係はクリアになっているか、地盤はどうか、土壌汚染などの恐れはないか...、そういった情報を確認するために、用地業務でも取得することがあるよ。
用地業務でもみることがあるんですね、わかりました。
これで登記記録証明書を取得できました。ありがとうございます、上島さん!
いろいろな欄があるんですが・・・、まずはどこを見ればいいんでしょうか?
証明書は上から「表題部」、「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」の3つに分かれているよ。
この証明書は最後に「共同担保目録」の欄があるけれど、これは請求があって初めて記載されるものなんだよ。
| ① 表題部・・・・・・ | 土地や建物の物理的な状況(所在、面積等)が記載される部分 |
| ② 権利部(甲区)・・・ | 主として、所有者に関する事項が記載される部分(他に差押、仮処分等) |
| ③ 権利部(乙区)・・・ | 抵当権など所有権以外の権利に関する事項が記載される部分 |
| ④ 共同担保目録・・・ | 他の土地や建物と一緒に抵当権に入れた場合記載される部分 |
▽ 登記記録証明書の見本(土地) ▽

権利部乙区に記載される抵当権等が登記されていない場合には、「表題部」「権利部(甲区)」の2つのみが記載されるよ。
この場合は、登記記録証明書の末尾にある証明文に、乙区の記載はないことがちゃんと明記されているから、証明文もみてね!
証明文・・・なるほど、たしかにこの別の証明書(↓)には「ただし、登記記録の乙区に記載されている事項はない」と書かれていますね。
▽ 登記記録証明書の見本(乙区なし) ▽

証明文の部分で、もうひとつ気になる部分があるんですが、証明書の日付の上にある「(〇〇地方法務局△△出張所管轄)」というのはなんですか?

よく気がついたねぇ。
最初に、コンピューター化によって全国の土地・建物の証明書が取れるようになったと話したよね。
まず、証明書をもらいに行った窓口の法務局名が日付の下に書かれているよね。
そしてこのカッコ書きの部分は、その窓口の法務局の管轄外の土地等の証明書を請求した際に記載されるもので、どこの法務局の管轄かを明らかにしているんだ。
管轄の法務局でしか受け付けていない手続き(登記申請等)があるから気を付けてね。
なるほど、確認するようにします!
「権利部(甲区)」のところの登記の目的欄に「所有権移転」と記入されている事項がいくつかありますが、どれがいまの所有者なんですか?
そうだね、「所有権移転」がたくさんあるとどれが最終的な所有者か迷うよね。
登記簿は時系列で記載されることになっているよ。極端な例でいうと、同じ日付でも先に申請した方が受付表示が早くなって、登記の順位も早くなる仕組みになっているんだよ!
登記の順位が早く・・・?それなら、先に「所有権移転」の登記をした人が、今の所有者ってことですか?
すごい解釈だ、こわいよ!でもたしかに、順位って言うとややこしかったかなぁ。
"登記の優先順位"と"現在の所有者の判断"は別だよ。・・・というより、所有権移転が時系列で記載されるということは、最後に「所有権移転」を登記した人が、現在の所有者ということになるんだ。間違えないようにしてね。
そ、そうだったんですね。もう少しで間違えるところでした。
これでもうばっちり覚えましたよ!!
それはよかった!記載情報の見方が分かったところで、次は内容を詳しくみていこうね。
はい、よろしくお願いします!
*1閉鎖登記簿の保存期間
不動産登記申請手続:法務局(法務局ウェブサイト)
用地事務に関わる登記手続について解説!コラム「登記しよう!」シリーズです。とある用地課の新人、緑山が用地取得の各ステップで必要となる登記手続に関して、ベテラン職員上島さんに教わっていきます。
とある市の用地課の新人、緑山さん。用地の業務も初めてで、勉強の日々です。 前回に引き続き、「所有者の特定」の様々な課題、またそれに対応する新たな制度等について学びます。 大阪市北区の補償コンサルタント 阪高プロジェクトサポート株式会社です。公共用地取得,用地買収,用地交渉
とある市の用地課に異動してきた新人、緑山さん。用地の業務も初めてで、勉強の日々です。前回、登記記録の取得方法や見方を学び、現在の所有者が読み取れるようになったはずですが・・・? 大阪市北区の補償コンサルタント 阪高プロジェクトサポート株式会社です。公共用地取得,用地買収,用地交渉