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コラム

登記しよう!

「用地取得は交渉技術も重要だが、登記も絶対忘れないで!
登記(内容の確認)ではじまり、
登記(移転登記・設定登記)で終わる…!?」

用地業務の流れのなかで、多様化した登記内容・登記手続について、具体的に分かり易くご紹介します。

はじまりはいつも登記vol.2  境界立会いと地図訂正

2021年11月04日 公開
登記しよう!! はじまりはいつも登記vol.1

 とある市の用地課に異動してきたばかりの新人、緑山さん。用地の業務も初めてで、勉強の日々です。
 今回は、起業地の周辺の土地の所有者や地番、形状を確認する必要性、また地番が異なる場合の手続きなどをご紹介します。


周りの地番等も確認しよう!

緑山

ブルーマップで住所からだいたいの地番が確認できるということは、もう起業地の確定はできるんですよね?

法務局でブルーマップと法務局の備え付けの地図をみて、登記簿謄本を取ってきます!!

上島さん

まってまって!慌てないで緑山さん!

地番が分かっても"起業地の特定"とはいえないんだよ。

まずは、地図法14条地図*1または地図に準ずる図面*2)で地番を確認するときに、周りの土地の地番や形状も確認しておくんだ。

緑山

すみません、先走ってしまいました...!

えっとそれで、どうして周りの土地の地番や形状を確認しておくんですか?

上島さん

用地を買収したり権利設定したりするときには、正確な面積を特定するために測量をするでしょ。

そのときに、周りの土地との境界も確認する必要があるからだよ。

緑山

そういえば、研修でそう教わりました!

買収用地については、周りとの境界を確定したうえで、測量図を作成して用地の面積等を確定させてから、売買契約をするんでしたね。

上島さん

それ、それ!周りの地番・形状がわからないと、境界を確定するときに誰に立会いをしてもらえばいいのか分からないでしょ。

緑山

なるほど、境界立会い等をする周りの所有者さんを特定するためなんですね。

でも起業地以外の所有者さんも探さないといけないなんて、境界確認するだけでも大変そうだなぁ...。

上島さん

そうだね、それは多くの現場で課題になっているよ。

例えば登記名義人が死亡していたら相続人を探すのが大変だし、探し出したと思ったら相続人が大勢いたり。

あとは登記名義人が行方不明で全く分からないこともあって、誰に境界立会いをしてもらったらよいか、現場でも苦労することが多いんだよ。

上島さん

そういえば最近、所有者による土地の境界確認について法務省が見直しを検討している、という新聞報道があったなぁ。

まだ検討段階のようだから、どうなっていくか分からないけれど。詳細が分かったらまた教えるよ!


備え付けの地図も正確ではない?

緑山

法務局備え付けの地図で、取得したい土地や周りの土地の地番・形状を確認する必要があることは分かりました。

でも、その地図の情報ってどれくらい正確なものなんですか?登記簿でも記載内容が現状と異なっていることがあるんだし...。

法務局の地図に載っている地番・形状と、実際の周りの地番・形状が違う、なんてことはあるでしょうか。

上島さん

どんどん先に進むねぇ。緑山さんがいうように、残念ながら、法務局の備え付けの地図が絶対正しい、というわけではないんだ。

そういった場合、法務局の地図が間違っているのか、周辺の所有者さんたちが地番を勘違いして認識いるのか...何が正しい情報なのかよく調べる必要があるね。前にも話したけど、所有者さんも自分の土地の地番をはっきり覚えていないかもしれないしね。

緑山

もし法務局の地図の地番・形状が間違っていることがわかったら、どうしたらいいんですか?

上島さん

その場合は、法務局備付け地図の「地図訂正」を先に行ってから、境界立会い・測量・分筆という段階に進めるんだよ。

この順番を踏まないと、分筆の登記申請ができないということなんだ。地図訂正については、また別の機会に詳しく説明するよ。

緑山

そうなんですね。用地業務を進めていくには、登記は切り離せないものですね。

上島さん

そうなんだよ!実際の手続きなどは複数の職員さんで分担しているところも多いと思うけど、どういった流れや手続きを経て進んでいるかはぜひ知っておいてね。

 

〔補足〕

*1法14条地図」とは

不動産登記法第14条に規定された地図で、国土調査法に従って市町村が主体となって実施する「地籍調査」の結果等に基づき作成される、精度の高い地図です。

これは国家基準点を基礎として各土地の境界点を測量するもので、土地の位置や区画を知ることができます。また、土地の筆界が分からなくなっても、地図に基づいで筆界点を復元することができます。

*2地図に準ずる図面」とは

いわゆる公図と呼ばれるもので、法14条地図までの精度はないものの、各土地の位置関係等が整理・記録されている地図です。「旧土地台帳附属地図」・「字限図」とも呼ばれています。

明治時代の地租改正の際に作成されたものが原型となっており、現況と相違するものも見受けられます。


 起業地を特定するには、起業地の周りの土地の所有者の特定や地番、形状の確認、また境界立会い等の手続きが必要となるんですね。
引き続き、用地業務に関わる登記業務をご紹介していきますので、次話以降もぜひご覧ください。

 

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