- 押し付ける返答は絶対してはいけない
- 共感とは自分自身を賭けた闘い
- 自分で考える相手に向き合い、いかに寄り添えるか
田中が読み進めている『プロカウンセラーの共感の技術』(杉原保史・著)の第13話では、ビジネス交渉の場では定番とされてきた「オウム返し」がNGだと述べられていました。田中は初めて知ることばかりで戸惑いつつも、これまでの常識を頭から追い出して、本の内容に向き合っています。皆さんもこれまで実践してきた形を少し横に置いて、続きを読んでみてください。
田中が読み進めている『プロカウンセラーの共感の技術』(杉原保史・著)の第13話では、ビジネス交渉の場では定番とされてきた「オウム返し」がNGだと述べられていました。田中は初めて知ることばかりで戸惑いつつも、これまでの常識を頭から追い出して、本の内容に向き合っています。皆さんもこれまで実践してきた形を少し横に置いて、続きを読んでみてください。
第19話以降の内容は、当社が開催している研修「交渉技術向上研修(話し方編)」で取り上げているノウハウとリンクしている。
○ 声のトーン
○ 相づち
○ アイコンタクト
○ 呼吸
○ 間(ま)
などについて解説されている。これは、交渉する仕事に就いている人にとっては必須の技術だ。話し方の技術というのは研修にも盛り込みやすいのだけど...「聴く」技術は本当に奥が深いなぁ。
でも、田中が研修をつくり上げてくれれば、全国の用地職員の人たちに技術を伝えることができる。博士もそのような期待のもとに、田中にこの本を渡したのだろう。
<第21話>
「僕はいじめられているんじゃないんです。"いじられキャラ"なんです。そういうノリなんですよ。僕、いじられる以外にどうやってクラスの連中と関わったらいいのか、わからないんです。いじられて、それに調子を合わせることで、みんなの中に入れているんです。だから、いじってもらえて嬉しいってとこもあるんですよ。」
A「......(あなたは)いじられるなかで傷ついているけれど、でも他の関わり方が分からないから、そのキャラを降りると人間関係を失ってしまう。それも怖い。孤立はしたくない。いじられキャラは嫌だけど、孤立するよりはましだ。そんなふうにどこかで思って、それで、いじられキャラを演じ続けているのかな。」
このコメントの内容が当たっているか、外れているかは重要な問題ではありません。このコメントを投げかけることが重要なのです。......話し手はそれによって、自分の中の曖昧な体験領域をより明確にしていく作業に取り組むよう励まされます。
B「あなたはそうやっていじられていると言って自分を偽っているんでしょう。本当は傷ついているんでしょう?」
というように言いたくなるかもしれません。......それは、話し手の傷つきに対してあまり共感的ではないように感じられます。
相手の話を聴いて何か違うなと感じたから、「あなたは、○○なのかな?」と相手の気持ちを疑問文で尋ねてみる。そして、その本質は語られていないところにこそある。これまで習った話をまさに実践した応答ではある。
逃げている人に対して、ご自身が何から逃げているのか気づいてもらうためには、聴き手の気づきをぶつける必要がある。でも、その気づきを「こういうことでしょう?」と押し付けてはいけない。答えを出すのはあくまで本人。
本人が心の奥底に隠している、もしくは隠していることさえ本人も気づいていない感情を、自分で探し出してもらう。そのために、聴き手の気づきを一つのきっかけとして伝える。それが共感ということなのかな。
ところで、A「いじられキャラを演じ続けているのかな」という応答と、B「自分を偽っているんでしょう」という応答は何が違うの...?
そうだ、最初の例(A)は、話し手自身が話した内容に疑問文で補足を提示している。
後のほう(B)は、話し手が話した内容を断定的に否定している。
「共感」は勝手に価値判断をしないこと。だから否定はしないんだな。
本の真ん中あたりまで読み進めて、第25話。
表題は、≪相手を信じて賭ける勇気を持つ≫。
博士がいつも言う「権利者の方は必ず変わってくれると信じて交渉しろ」ということばにも通じる表題だ。
<第25話>
今ここに、何年もうつ状態が続いていて、両親から「お前はどうせ変わる気なんてないんだろう」と言われて傷ついている人がいるとします。その人は、「たしかに私は両親の言うとおり、何も変わっていない!」と険しい表情で言い、激しく自分を責めています。
その人を前にして「あなたは変わろうと一生懸命頑張ってきた。そのことを私は知っていますし、あなたも知っています。その一方で、両親にそう言われるととても傷つき、ぐらついてしまうあなたもいるんですね」と言うとき、私は勇気をふりしぼって賭けているのです。その人が、暗い穴の中からこちら側に出てきてくれることに、自分の人格を賭けているのです。
共感を示すことは、しばしばチャレンジであり、賭けでもあります。もしかすると「あんた何言ってんの!」「見当違いもいいとこです!」......などと一蹴されたり、怒られたりするかもしれません。関係が破綻するかもしれません。
そんな危険を冒してでも言葉を発する。それでもいいから、相手のために伝えたいことを伝える。......怖くても、思い切って(ただし穏やかに)そういう思いを伝える。それが共感です。
......共感とはときに闘いなのです。信じたもののために闘うことが避けられないならば、そうします。ただし、穏やかに、落ち着いて、力強く、そして、温かく。......共感は相手を"信じる"行為を含んでいます。相手が自分の言うことをきっと受けとめてくれると信じて、ジャンプするのです。
......もしかすると硬い地面に落ちて怪我をするかもしれません。「怪我をしてもいい。その人を信じてジャンプして、怪我をすることになったとしても、それでもいい。」そう思えることが共感なのです。
書かれている内容は、サラッとしているけど、凄まじい迫力を感じる。
共感を伝えることは賭けであり、その一言のために相手を信じて勇気を振り絞る。著者もそれくらいの覚悟を決めて、実践しているんだな。
「聴く」という行動は、人格などを遥かに凌駕している気がする。
この部分に、博士が私に読ませたかった理由が凝縮されているように感じた。
<27話:関わりと観察のバランス>
カウンセリングでは、聴き手は、穏やかに、ただ聴いているだけです。決して話し手の生活場面に出かけていって何らかの問題を解決してあげるわけではありません。......ただ聴いているだけです。しかし、それと同時に、ただ聴いているだけではありません。
話し手の人生における一人の登場人物として関わっているのです。自分の心を、つまり感受性を、十分に活かすやり方で関わっているのです。......もし、共感を目指して話を聴くのだとすれば、そこですることは相手の言葉を単に言語情報として処理することではありませんし、単に観察することでもありません。
自分自身もその場に"参加する"のです。その場に参加して、"感じる"のです。そして感じたことをもとに、"反応する"のです。より正確に言えば、感じたことがすなわち反応することでもあります。そしてそれはお互いにそうなのです。そうやって二人は、相互に刺激し合い、反応し合い、展開する一つのプロセスを形成するのです。
また禅問答のようだ。
でもこの禅問答にこそ、大切な意味合いが含まれている...とさすがに気づいてきた。
「聴く」のは相手の人生の登場人物として、相手と反応し合って展開するプロセスだ、ということ。これは技術の問題ではなく、まさに聴き手の人格を超えた、人生を賭けた大勝負だね。
「......私がダメだから、よくならないんだって思う。いくらきちんと(カウンセリングに)来て話しても、ただそれだけで、中身がないから。私は中身のない空っぽの人間だから、だからよくならないんだと思う。空っぽの人間が空っぽの話をいくらしたって、何も生まれてこないから」
「あなたがそう言うのを聞くと、とても切ない気持ちになります。あなたのその言葉は、とうてい空っぽの言葉ではないですね。でも差しあたり今あなたは自分が空っぽだと感じている。そのことにとても印象づけられました。これからゆっくりあなたの『自分は空っぽだという感覚』を一緒に調べていきましょう。空っぽだからどうなのか? 空っぽだったらどうなるのか? 空っぽだと思う理由はどこにあるのか? どうなったときもう自分は空っぽでなくなったと思うのか?」
自分は空っぽだという言葉を聴き、その言葉を客観化して賛同できない自分を見出す。しかし、「あなたは空っぽな人間ではないですよ」と励ましたり、話を否定したりはしない。
相手の気持ちがどこから発せられたのかと相手を主語にして疑問文で返す。これがこれまでのこの本のやり方だった。その上に立って、「どうなったときもう自分は空っぽでなくなったと思うのか」と尋ねてみる。
これは「空っぽな人間ではありません」と励ましたとしたら、絶対出てこない言葉だ。自分は空っぽだと信じている人には、励ましは響かない。
○どうしたらよいのか、自身で考えてほしい。
○でも、あなたがそれを考えるのを私は放っておくわけじゃない。
○あなたが考えるとき、話を聴いて感覚などを一緒に調べていくことで私も参加します。
この覚悟が「聴く」ということ...。
励まして終わりではなく、相手が自力で解決するまで関り続ける覚悟を決めること。だから「聴く」という行動は瞬間ではなく、プロセスだということなんだ。
用地交渉が権利者の方に移転を決意し、計画し、実行してもらうために「聴く」んだと博士が言っていた言葉の意味が少しわかりかけてきたぞ...!
「聴く」という行動の中に、自分が相手にここまで関わる覚悟が含まれているとは思いもしませんでしたね。でも、それくらい決意して向き合おうとしないと、相手が変わるような「聴く」はできない、そう思いますね。
この『プロカウンセラーの共感の技術』(杉原保史・著)は創元社から発行されています。用地屋に役立つ内容がたくさん書かれていますので、ぜひ全文を読んでみてください。
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