- 自分で相手を判断せず、シンプルに「聴く」
- これまでの当たり前を捨てる
「経験によって身についた人格があるからこそ、他者に共感できるようになる」との主張を『プロカウンセラーの共感の技術』(杉原保史・著)から読み取った田中。博士が伝えたかったことを何となく感じながら、今回は全42話の中の10話から19話までを読み進めます。
「経験によって身についた人格があるからこそ、他者に共感できるようになる」との主張を『プロカウンセラーの共感の技術』(杉原保史・著)から読み取った田中。博士が伝えたかったことを何となく感じながら、今回は全42話の中の10話から19話までを読み進めます。
田中は200ページ以上の『プロカウンセラーの共感の技術』をめくりながら、気になる箇所に付箋を貼っていた。
本から読み取った内容と、用地交渉の話を何とか結びつけようと四苦八苦しながら、進んだり戻ったり。自然と眉を寄せた表情になり、周りから心配されて声をかけられることもあるが、仕事の合間に着実に読み進めていく。
さて。やっと10話だ。
第10話は「価値判断をしないーー受容するということ」。聞いたことがあるようなないようなフレーズだな。
<10話>
「受容」とは、ありのままを認めること。相手のありようをありのままに受け容れることです。どんなに不合理だと思えても、間違っていると思えても、相手の思いや気持ちを、そのままに、ありのままに、受け入れるのです。
受容はしばしば、現状肯定だと誤解されます。ありのままを受け容れるとか、ありのままを認めるとかいうのは「ありのままでいい」と価値判断することではありません。......学校に行かずに部屋にひきこもっている青年のことを考えてみましょう。彼は学校の話題を持ち出そうとすると、黙り込みます。......学校に行きたくないという気持ちを受容することは、学校に行かなくてもいいと価値判断することとは全く違うものです。
......いくら彼がそのことについて話したがらないとしても、彼の様子を身近で見ていれば、いろんな思いが伝わってくることでしょう。学校に行きたいという思い、行かなくちゃという焦り、これからどうなるんだろうという不安、......誰か助けてくれと言う気持ち、などなど。
......人間の心は複雑であり、矛盾や葛藤を孕んでいます。共感は、単に言語的なものではありません。何よりもまず感じられることが重要です。
ありのままにといわれても、自分の頭の中に入ってきた時点で、自然と自分の考えが出てきてしまう。これは反射みたいなものだよね。
でもここに書かれているように、考えるのではなく感じるようにすれば、自分の意見は抑えられるかも。
相手の気持ち、相手が自覚していない感情まで感じ取る努力をするというのは、ただボーッと話を聞いていてもできないだろうな。そんなにずっと集中して人の話を聞けるかな...。
少なくとも、今の私にこんな聴き方、感じ方ができるとは思えないし、特別な人にしかできなさそう。
じゃあやっぱり聴くことはできないっていう結論になってしまうな。困った。
11話は「何が変化を促すのか」だ。
共感とか聴くから離れている題だけど、博士は、用地屋は「聴く」ことで相手に変化をもたらすくらいのことができなければならないと言っていた。共感にも同じ力があるというのだろうか?
<11話>
あなたが関わっている相手が、何か困難を抱えて悩んでいて、あなたに相談している......その人のありのままを受容すると同時に、変化をサポートする必要があります。
受容と変化促進は、さほど正反対の仕事ではありません。"共感してもらえた"という体験が、それ自体で変化をもたらすこともあります。......共感こそ、変化を促進する最大の力なのです。
ほとんどの心の苦痛は、本人しか解決できないものです。そうした感情を抱えた上でどう生きるかの問題だからです。......ですが、それを踏まえた上で、
たとえば、不安に怯えている人がいるとしましょう。あなたがその人を前にして感じ取ったことをそのまま口にして「とっても不安なんだね」と言うとすれば、その一言は、当然、ただの棒読みのセリフではないでしょう。
それがまさに共感的なものであるならば、その声、表情、視線、姿勢などを通して、おのずと何かが相手に伝わることでしょう。......決してその一言でその人の不安が消えてなくなるわけではありませんが、本人は自分の不安が理解されたと実感するでしょう。そのとき、その人の中でその不安の意味合いが変化します。
解決はその人にしかできない、けれど一緒に悩んでくれる人が必要。そのとおりだと思う。
だから、私たちは励ましたり、アドバイスしたりするよね。
でも、この本ではそんなアドバイスをするなんていう段階はもっと後。
まず共感、聴くこと。
それはわかるんだけど、それだけのことで相手と一緒になって考えているといえるのかな。
相手に変化をもたらすように聴き、一言で返すなんて普通の人にできることだとは思えない。これは技術ではなく、結局聴く人にしっかりした人格があるからこそできることなんじゃないのかな。
<13話>
反射=オウム返し、しかもかなり機械的で単純なオウム返しだと、非常に多くの人が誤解しています。もし反射がそんなふうに機械的で単純なものでしかないのなら、それは共感を助ける技術にはなりえません。
話し手がか細い声で「もう頑張れない」と言っています。......たとえば「限界まで頑張ってきたんだね」と反射することもできます。......「もう頑張れない」という人は、「頑張らなくてはならない」というように自分を追い立てる声が常に心の中で響いている人です。常に自分にむち打って頑張らせる人です。
背景にあるその心の動きをその一言から感じ取り、反射にそのニュアンスを反映させることが肝心なのです。......反射には、無限に多様なヴァリエーションがありえます。それは、同じことを表現するのにも無限の表現の仕方があるという......。
自分がこの立場になったら、機械的で単純なオウム返しをしてしまいそう。
だって、オウム返しは傾聴技法の基本だと教わったしね。
反射も自分の人格をかけて行わなければならないなんて、まるで戦いだ。
<15話>
「共感」を相手との情緒的な波長がぴったり合うことだと考えたり、相手との間に円滑なコミュニケーションが生じることだと考えているかもしれません。......ですが実際は、よほどの幸せな巡り合わせでもない限り、そんなことはそうそう生じることではないのです。
ギャップの感じや「分からない」という感じをありのままに感じることは、すでに共感なのです。......それは相手がどういう人なのか、何を思い、何を感じ、何を求めているのか、ということを手探りで探っていこうとする作業のスタートラインなのです。
M子さんは、大学二年生のころ、自分の夢は国際公務員になることだと目を輝かせて生き生きと語っていました。けれども、三年生になって、いざそうした仕事に就く可能性を広げるチャンスが到来したとき、M子さんはそのチャンスに応募することをやめることにしたと言いました。......このとき私はM子さんの話を聴いていて、大事な夢を抑え込もうとしている彼女に対してカチンときている自分を感じました。
彼女の話が一段落ついたとき、ただシンプルに次のように尋ねてみました。「あなたは、国際公務員になるという夢を叶える大きなチャンスをいざ目の前にしたとき、どんなことを感じたのでしょうか?」
そうか、わからないと思うこと、どうしてなんだと思うこと、そのどちらも共感なんだな。なぜだと思ったことを相手にシンプルに質問する。これも共感。
自分の意見を反射的に伝えず、まず耳をすまして、わからないことは素直に聞く。
そう考えると納得できるし、現実的だな。
<16話>
私が「淋しいんですか?」ではなく「淋しいんですね」と言うとき、それは、当たっている自信があるからそう言っているわけでは決してありません。
それは、私が話し手と一緒にいて感じた感覚を、話し手に伝えようとする冒険的な行為だと言えます。言わば挑戦であり賭けなのです。
言い方のほんの少しの違いを挑戦、賭けだと思わなければならないくらい、大変なことなんだなぁ。
大げさだと思うけど、こういう些細だと思ってしまうところに気を配れるかどうかが、共感できている、いないの違いなのかも。
<18話>
相手が話していないこと、話せないでいることを聴くことのほうがもっと大事です。さらに詳しく言えば、相手が話さないように力みをもって避けられているものが何かを感じ取ることが大切だということです。
話さないのですから、よく観察し、感じ取るしかありません。その人は、態度や素振りで多くを無言のうちに表現しています。
注意深い人であれば、こうした相手の振る舞いに、「おや?」と感じるでしょう。それこそが深い"共感の芽"なのです。それこそが、相手のまだ話せないこと、まだ言葉にできないことを聴き取る感受性の出発点なのです。
よく観察して、相手の様子を感じ取る。
これは博士がマネジメント会議でよく交渉担当者に言っていることと同じだな。
「権利者にいろいろと伝えたとき、相手が必ず言及を避けること、逃げる話題は何なのか見極めろ。そこに相手の辛い部分があるんだから、それを聞き取り、克服してもらうよう働きかけなければならない。その人に新しい人生にチャレンジしてもらうためには避けているものに向き合ってもらわなければならないのだから。相手も避けていることに気づいていないかもしれないが、我々は気づいていかなければならない」
博士からこういうことをよく聞くけれど、普通の人には無理だと思っていたな。
経験豊富な交渉担当者で、もともと人格ができているからできることで、普通の常識的な人には難しいんじゃないか、、と。
でもこの常識的な会話をする、ということをまず捨てて、どうやったら相手から「聴く」ことができるのか、ゼロから考えればいいんだろうな。
何をしなければならないのかはわかってきた。
これまでやるべきだと思っていたことは一度頭から追い出して、相手に向ける視線を変えていかないといけないんだな。
博士が言っていることと、この本の主張が共通していることも理解できたし、読み進めたらもっと根本的な解決策につながるかもしれない。がんばって読んでいこう!
これまで当たり前とされてきたビジネスマナーや一般常識から意識を離さなければならないことに気づいた田中。これで「聴く」レベルを上げていくためのスタートラインに立てたのかもしれません。博士がこの本を読むようにと言った理由も何となくわかってきましたね。
『プロカウンセラーの共感の技術』(杉原保史・著)は創元社から2015年に発行された本です。全文を読んでみたい方は、書店等でお買い求めください。
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