閉じる

コラム

用地取得 達人への道

「さて今年はじめて用地取得交渉をまかされたけど、やったことがないしどうしよう…」
新人の用地職員にはつきものの悩みですね。でも心配ご無用。
本稿では用地取得交渉の手順とコツを詳しくご紹介します。

用地屋は1日にしてならずvol.3 ~用地屋の肌感覚~

2019年07月02日 公開

tatsujin_vol3_hadakankaku.jpg

前回は用地屋として笑顔をどうつくっていくべきか、その心構えや日々の意識の仕方を博士に説いていただきました。毎日「こうなりたい」と目標を持って過ごすことで、結果が変わるのだなと実感しました。

今回は用地屋が持つべき、肌感覚についてです。マーケティング要素のあるノウハウを博士から伝授いただきます。

正しい感覚が、信頼しあえる交渉につながる。

次に聞かなくてはならないのは、用地肌についてだ。
肌というのだから、清潔感や身だしなみのことだろうか。

用地肌って美容関係の話ですよね、と田中は尋ねてみた。
「そういう面もある」といって、博士は肌荒れの話をし始めた。

肌荒れしたまま交渉に行く。
 ↓
印象が悪く、信頼が得られない。
 ↓
用地屋は、食事に気をつけ、規律ある生活をしなければならない。

当然二日酔いで交渉に行くなどあってはならない、登板前日に深酒をするピッチャーがいるか、と野球に例えながら訴えてきた。

実際のところ、多くの交渉担当者が多大なストレスを抱えているから、深酒をする人が多い。はっきりいって、交渉前日であろうと大酒を飲むのが業界スタンダードだ。

しかし、それはいけないことだと博士は言う。

合理的でない理屈で酒を飲み続け、身体と心をつぶしている人をたくさん見てきた。交渉前日に飲まないなど用地屋としての正しい感覚を身に付け、信頼しあえる交渉を行うのがあるべき姿だ。

そしてこの後、博士が考える本当の意味での"用地肌"の話を聞かせてくれた。

会話のチョイスが地権者の気分、そして交渉を左右する!

用地肌は、暑い寒い、暗い明るい、からっとしている、じめじめしている、気圧が下がっている、黄砂が多い...等々、自分の周りの状況に敏感になる感覚のことだ、と博士はいう。

自分の血圧が低い→午前中に訪問しない
雨の日、台風の日→三半規管が弱く体調が悪い人もいるから訪問しない
寒くて暗い日が続いている→訪問しない
暑すぎる→訪問しない
雪→体調を心配する会話をする
災害後→被害状況を確認する
花粉症の時期→詰めの交渉を行わない。

自分の血圧や体調を管理し、時間や天候で左右されるタイミングは訪問を避ける。
二日酔いは前日に深酒をやめれば回避できる。

そして、一般的に体調の悪い人が多い時期は「つなぎの交渉」に徹する。

雨の日や台風の日、寒さ暑さが強い、花粉の飛散が激しい、雪が降った...。
体調や気分が優れない人が多く、いつもよりイライラしていたり思考能力が落ちていたりするのは、すぐ想像できるだそう。

そんなときに、わざわざ詰めの交渉をする必要はない。
それ以外でも変化を肌で感じ取ったら、会話をして次に繋げる。

雪が降っていれば、お風邪など召されていませんか。
災害後は、被害はありませんでしたか。
桜シーズンは、いい季節になりましたね。
長雨で野菜価格など物価が高騰しているときは、日々の暮らしが大変ですよね。

ただ変化を感じるだけでなく、その場面に合わせた会話ができれば、機嫌を損ねないだけでなく今後の交渉に生かすことができる。

要するに...。

感じた変化を話題にすれば、地権者の方と距離感を縮めることができる!

リサーチを続ければ、気が利いた話のできる自分になれる。

まず、いろいろなことを敏感に感じ取れる自分であること。
それが用地屋の肌感覚なのだ、と田中は納得できた。

でも、どうやって?

休日にスーパーにでかけ、物価に敏感になる。
季節や天候について調べる。
ニュースを読む、見る。

なんでもリサーチが必要なんだ、と博士はいう。
話が理解できてきた田中は、自分の感想を博士にぶつけてみた。

スポーツファンの方は応援チームの勝ち負けに敏感に反応するから、負けが込んでいるときは、スポーツの話題は避けるようにする。

パチンコや競馬競輪が好きという方も多いが、勝った話は喜んでしてくださるけれど、負けが込んでくると機嫌が悪い。

だから...。

 訪問してすぐに、相手の虫の居所を敏感に感じ取る必要がある。

「そのとおりだよ。私の話を理解してくれたんだね」

別に博士に褒められたからと言ってどうってことはないが、褒められるというのはやっぱりうれしいものだ。

次回からは、五感に関係する器官について。
『用地屋は1日にしてならずvol.4 〜用地屋の段取り力〜』をお届けします。

バックナンバー

ページTOPへ