
前回は用地屋としての心構えを持ち、鍛錬を積むことの大切さをお伝えしました。
用地取得であれ、それ以外のことであれ、何かを追求するには、基本的な心の持ちようが何より重要といえますね。
さて、今回からは身体のパーツを一つひとつ例に挙げ、用地屋としての意識の仕方について話を進めていきます。
では具体的に、用地屋の身体と心は一体どういうものをさすのか?
田中は"用地屋の身体"について博士に尋ねてみた。
身体のパーツごとに、用地屋として意識すべきことがある博士は独特の言い回しで、持論を展開してきた。
用地屋には...
・用地顔
・用地肌
・用地目
・用地耳
・用地鼻
・用地口
等々、身体のパーツごとに意識すべきことがある。
用地顔や用地肌という言葉から、用地交渉では美容に気をつけるべしと言いたいのかと思ったが、よくよく聞いてみると、用地屋には"化粧品いらずの美容法に通ずる知恵"が必要だ、という話だった。
そして博士は、いきなり尋ねてきた。
きみはどんな状況のときでも自然な笑顔を作れるかね?
お葬式や訴訟の場で笑顔はご法度だけれど、人間同士が良好なコミュニケーションを築いていこうとすれば、笑顔は欠かせないよね。
その言い方に触発された田中は、作れますよ、ほ〜ら簡単ですよとすぐに笑い顔を作ってみせた。
しかし...ダメ出しが始まった。
いい笑顔とは言えないね。作り笑い丸出しだ。
それでは、苦しんでいる人や悩んでいる人は心を開いてくれない。 出勤前に家族とけんかをしてきたとき、 花粉症で体調がすぐれないとき、 課長からさんざん小言を言われたとき。 そんなときでも君は笑顔が作れるか?
自然の笑顔だ。"自然"のというのが大切なんだけど...。
少し考えて田中は、それは難しいなと思った。
どうしても笑顔を作らないといけない状況だったとしても、正直、ぎこちない笑顔になってしまっている。さっき博士に作り笑いといわれた笑顔のように、相手にはすぐにばれてしまっているだろう。
テンションが落ちている田中に向かい、博士は笑顔論を展開してきた。
自然な笑顔は、話し相手が心を開くきっかけとなってくれる...。
だから笑顔は大事なんだ、と。
それは田中だって、よくわかっている。
...博士は続ける。
その笑顔は自然な笑顔であっても、急ごしらえのわざとらしい笑顔であっても、作っているのは自分なんだ、と。
笑顔を作っているのは、自分。
自分の身体が、その笑顔を生み出しているんだ。
つまり、自分が自然な笑顔を作ろうと意識すれば、できる。毎日口角を上げて過ごし、表情筋を鍛えようとすればいいんだ。
特に唇周り・頬の筋肉を鍛えるとともに柔らかくしておくことが大切。そうすると、顔の下半分が長く見えなくなるし、ほうれい線もあまり深くならない。顔の下半分が長くなって、ほうれい線が深くなると、老けて見える。 それだけでなく、活気や活力がないように感じられてしまう。
活気が感じられない顔、活力のない顔は、
自信のない交渉を行っているように解釈されてしまうんだ。
顔ひとつで、交渉の解釈が変わってしまう...。
それは、大問題だ。
まだ笑顔のためにやっておくべきことがあるという。
表情筋を鍛えるためには、口を大きく「あ~」と開けたり、中国語の「い~」のように横に大きく引っ張ったり、鼻周りをもみほぐしたりするしておくとよい。目の下にクマを作っていては表情が暗くなる。しっかり眼球を動かし、目の周りの筋肉も鍛えなければならない。表情に大きく影響する眉も自在に動かせるようにしておかなければならない。そして、毎日1回は鏡の前に立って笑顔確認をしなければならない。
田中は、驚いてしまった。
まさか毎日、博士はそんな顔グルグル体操みたいなこと(博士の用地交渉技術研修ではこの演習もやらされるそうだ)をやっているのだろうか。
そうだよ。
用地屋たるもの、毎日、風呂上りに洗面台の鏡の前で、5分~10分格闘しているよ。
10年以上、毎日ね。
それにしては・・・。
博士は老けて見える。
思わず口から出そうになって、すんでのところで止めることができた田中であった。
そして、博士の持論をもっと聞きたくなってしまっていた。
それなら、用地肌ってなんだろう?
次回、『用地屋は1日にしてならずVol.3 ~用地屋の肌感覚~ 』をお届けします。
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